
「所有している土地を駐車場として活用したい」と考えても、実際に何から始めればいいのかわからない方は少なくありません。
駐車場経営というと、最初に「何台停められるのか」「月にどのくらい収入になるのか」が気になるところです。
しかし、駐車場をつくる前に確認しておきたいことがあります。
周辺に駐車需要はあるのか。
月極駐車場とコインパーキングのどちらが適しているのか。
土地の形状を考えたとき、実際に何台分のスペースを確保できるのか。
そして、費用を含めても事業として成り立つのか。
こうした条件を整理してから計画を進めることが重要です。
日本駐車場メンテナンス株式会社(JPM)は、コインパーキングの運営をはじめ、一括借上、駐車場機器・システム、保守・メンテナンスなど、駐車場に関する幅広いサービスを提供しています。現在も全国でコインパーキングの新規オープン・受託を行っています。
この記事では、これから駐車場経営を検討する方に向けて、土地の確認から運営開始までの流れを順番に解説します。
駐車場経営は「土地があるから始める」のではなく、まず条件を整理する

駐車場経営を始める大まかな流れを整理すると、次の8つに分けることができます。
- 土地の条件を確認する
- 周辺の駐車需要を調べる
- 月極かコインパーキングかを検討する
- 運営方式を決める
- レイアウトと駐車台数を検討する
- 費用と収益をシミュレーションする
- 契約・整備・設備工事を進める
- 駐車場の運営を開始する
重要なのは、いきなり舗装や工事の話から始めないことです。
例えば土地が広く、10台分の区画をつくれたとしても、周辺で5台程度の需要しか見込めなければ、その土地を最大限活用できているとは言えません。
反対に、それほど広い土地でなくても、周辺に駐車需要があり、車が利用しやすく、適切な料金設定ができれば、駐車場という土地活用が適している可能性があります。
国土交通省も、これからの駐車場について、単純に「つくる」という考え方だけではなく、土地利用や交通、使い方などを踏まえ、駐車場の配置や利用を適正化していく視点を示しています。
つまり駐車場経営では、土地そのものだけではなく、その土地が置かれている環境まで見ることが出発点になります。
まず確認したいのは「土地」と「周辺需要」
最初に確認するのが、所有している土地の条件です。
土地を見る際には、単純な面積だけではなく、
- 土地の形
- 間口や奥行き
- 前面道路の状況
- 車両の出入口
- 現在の土地の状態
- 高低差
- 周辺の建物や施設
なども確認します。
特に駐車場では、車が安全に出入りし、駐車できることが前提です。
そのため、「50坪あるから○台停められる」と面積だけから判断するのではなく、車路や切り返し、出入口まで含めたレイアウトを考える必要があります。
そして土地条件と同時に確認したいのが、周辺の駐車需要です。
例えば住宅地であれば、近隣住民やマンション居住者などによる月極需要が考えられます。
駅や商業施設、病院、飲食店などが近くにある場合には、短時間だけ車を停めたい人による時間貸し需要があるかもしれません。
周辺を調査するときは、近くに駐車場があるかだけを見るのではなく、「どのような駐車場が、どの程度利用されているのか」を見ることが大切です。
例えば、「月極駐車場は多いものの、空き区画も多い」という地域と、「月極駐車場は少なく、募集が出るとすぐに埋まる」という地域では、同じ住宅地でも状況が異なります。
コインパーキングでも同様です。
料金だけではなく、どの時間帯に車が停まっているのか、周辺にはどのような施設があるのか、車が入りやすい場所なのかまで確認すると、その地域の需要をより具体的にイメージできます。
月極・コインパーキングと運営方法を決める
土地と周辺需要を確認したら、次にどのような駐車場にするのかを考えます。
大きく分けると、月極駐車場と時間貸し駐車場(コインパーキング)があります。
月極駐車場は、特定の契約者へ月単位で区画を貸し出す方式です。
住宅地やマンション、事業所の周辺など、継続的に車を停めたい利用者が見込める場所では検討しやすいでしょう。
一方、コインパーキングは不特定多数の利用者に時間単位などで利用してもらう方式です。
駅や商業施設、病院など、一時的な駐車需要がある場所では時間貸しの方が土地の特徴に合う可能性があります。
ただし、「住宅地だから月極」「駅前だからコインパーキング」と単純に決めることはできません。
実際にどのような需要があるのかを調査したうえで判断する必要があります。
駐車場の種類がある程度決まったら、次に考えるのが運営方法です。
前回の記事で紹介したように、駐車場経営には、自主管理・管理委託・一括借り上げといった方法があります。
自分で運営するのか、管理業務だけを専門会社へ任せるのか、あるいは土地を駐車場運営会社へ貸して運営そのものを任せるのかによって、オーナーの手間や収入の仕組みが変わります。
JPMでも、土地所有者向けに一括借上による土地活用を提供しています。一括借上プランでは、JPMが土地を借りて駐車場を運営し、契約に基づいてオーナーへ毎月一定の賃料を支払う仕組みとなっています。
この段階まで来ると、「誰が利用する駐車場を、誰が運営するのか」という駐車場経営の基本形が見えてきます。
レイアウトをつくり、現実的な収支を確認する
次に、実際の土地にどのような駐車場をつくれるのかを考えます。
ここで重要になるのがレイアウトです。
駐車区画だけをできるだけ多く配置すればいいわけではありません。
車両が出入りするスペースや場内の車路、切り返しなども必要になるため、土地面積 → レイアウト → 実際の駐車台数という順番で考えます。
また、月極駐車場とコインパーキングでは、必要となる設備も異なります。
コインパーキングであれば、運営方式に応じて料金を管理する設備やカメラ、看板などの設置を検討する場合があります。
レイアウトとおおよその駐車台数が決まったら、収支を確認します。
例えば月極駐車場であれば、駐車台数 × 月額料金 × 想定稼働率などをもとに収入を考えます。
ここで注意したいのが、満車を前提にしないことです。
10台分の駐車場だからといって、常に10台すべてが契約されるとは限りません。
周辺の募集状況や料金相場などを確認し、一定の空きを想定して計算する方が、より現実的な収支を把握できます。
コインパーキングの場合はさらに、
- 時間帯別の需要
- 料金設定
- 1台あたりの利用時間
- 車の入れ替わり
- 周辺競合
などを考慮する必要があります。
そして、売上だけではなく、
- 整地・舗装
- 区画線
- 車止め
- 看板
- 照明
- 駐車場設備
- 管理
- メンテナンス
など、必要になる費用も含めて採算を確認します。
駐車場経営では、「いくら売上が出そうか」ではなく、「必要な費用を含めても土地活用として成立するか」を見ることが重要です。
計画が決まったら整備を進め、運営開始後の管理体制も整える
土地の活用方法、運営方式、レイアウト、収支などに問題がなければ、実際の整備へ進みます。
土地の状態によっては、整地や舗装、区画線の施工、車止めや看板の設置などを行います。
コインパーキングでは、選択したシステムや運営方式に応じた設備工事も必要になります。
また、駐車場の立地や規模、設備、地域によって確認すべき法令・条例等が異なる場合があります。実際の計画時には、自治体や専門事業者などへ必要な確認を行ったうえで進めることが大切です。
そして忘れてはいけないのが、駐車場はオープンした日がゴールではないということです。
運営開始後には、
- 清掃
- 草刈り
- 設備点検
- 利用者からの問い合わせ
- 料金に関する対応
- 無断駐車
- 機器トラブル
- 近隣への対応
などが発生する可能性があります。
特にコインパーキングは不特定多数の利用者がいるため、何か問題が起きた際の対応体制まで考えておく必要があります。
JPMでは、コインパーキングの運営だけでなく、機器・システム、不正駐車対策、保守業務など、運営開始後に関わるサービスも展開しています。
そのため駐車場経営では、「どうやって駐車場をつくるか」と同じくらい、「つくった後にどう運営するか」も重要なのです。
JPMの実務視点|駐車場を始める前に「5つの条件」を整理する

ここまで駐車場経営を始める流れを説明してきましたが、JPMが運営する本メディアでは、土地活用を検討するときの考え方を、需要・動線・台数・採算・将来利用という5つの視点で整理しています。
まず、需要。その土地の周辺で、実際に駐車場を必要としている人がいるのかを確認します。
次に、動線。車が安全に入りやすく、駐車しやすく、出やすい土地なのかを考えます。
そして、台数。土地面積だけではなく、車路や出入口まで含めて実際に何台分の区画を確保できるのかを確認します。
そのうえで、採算。現実的な料金や稼働状況を想定し、必要な費用を含めても事業として成立するのかを検討します。
最後が、将来利用です。長期間駐車場として利用するのか、数年後に住宅を建てるのか、将来的に土地を売却する可能性があるのか。土地の将来計画によって、適した設備や契約方法も変わります。
この5つを整理すると、「駐車場をつくれるか」だけではなく、「この土地を駐車場として活用することが適しているか」まで考えやすくなります。
特に初めて駐車場経営を検討する場合には、最初から細かな設備や料金を決めるのではなく、
土地条件を確認する
↓
需要を確認する
↓
駐車場の形を決める
↓
収益性を確認する
という順番を意識すると、検討しやすいでしょう。
まとめ|駐車場経営は「調査→計画→収支→運営」の順番で考える
駐車場経営を始めるまでの流れを、もう一度整理してみましょう。
- 土地の条件を確認する
- 周辺の駐車需要を調べる
- 月極かコインパーキングかを検討する
- 自主管理・管理委託・一括借り上げなどの運営方法を決める
- レイアウトと駐車台数を考える
- 費用と収益をシミュレーションする
- 必要な契約・整備・設備工事を進める
- 運営を開始し、適切に管理する
この中でも特に重要なのが、最初の調査です。
駐車場経営は、土地があるから始めるのではなく、その土地に駐車需要があり、土地の条件と事業性が合っているかを確認してから始めることが大切です。
また、月極・コインパーキングの選択や運営方式によっても、必要な費用やオーナーの負担は大きく変わります。
そのため、最初からひとつの方法に決めつけず、土地の条件を確認しながら、自分に合った方法を選んでいきましょう。
駐車場経営を始めたいけれど、何から検討すればいいかわからない方へ
日本駐車場メンテナンス株式会社(JPM)では、コインパーキングの運営、一括借上、駐車場機器・システム、保守・メンテナンスなど、駐車場に関する幅広いサービスを提供しています。
「所有している土地を駐車場にできるか知りたい」
「月極とコインパーキングのどちらが向いているかわからない」
「土地を貸して駐車場として活用したい」
「駐車場を始める場合の設備や運営方法について相談したい」
といった場合には、土地の面積だけでなく、周辺環境や駐車需要、土地形状、車両動線などを含めて検討することが重要です。
駐車場としての土地活用をご検討中の方は、お気軽にJPMへご相談ください。